ランボルギーニ・イオタ SVR 1975(トミカプレミアム№5)

ランボルギーニ・イオタは、同社のスポーツカーのミウラの改良を目的に開発された実験車で、1969年に1台だけ製造されました。
オリジナルのイオタは事故により消滅しましたが、ランボルギーニ公認のレプリカモデルであるイオタ SVJが、ミウラをベースに複数台生産されました。
更に、ランボルギーニカウンタックと同型のリアウィングや、大型のブリスターフェンダーを装着したイオタ SVRというモデルも存在します。

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上記写真は、タカラトミーが発売している車のダイキャストミニカー「トミカプレミアム」のランボルギーニ・イオタ SVRで、2017年10月21日に日本で発売されました。


ランボルギーニ・ミウラは、ポップアップ式のヘッドライトを採用していましたが、イオタのヘッドライトはアクリルで覆われた固定式に変更されていました。
このダイキャストミニカーは、固定式のヘッドライトをクリア樹脂で再現しています。
ミウラのポップアップライトがベースのため、独特な形状をしていましたが、かなり実車の雰囲気に近いレベルに仕上がっています。

イオタのボンネットには、2つの開口部分があり、その右上に給油口が設置されていました。
ミウラの給油口は、開口部の中にあったため、給油口が露出しているのはイオタだけです。
このミニカーは、ダイキャストの金型形状で開口部分と給油口を再現しています。
更に、つや消しの黒色で塗装されているので、かなりリアルな感じに仕上がっています。

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また、ボンネット下のメッシュ状の開口部分と、その両側にあるフォグランプや丸型のターンシグナルランプも、形状が再現されています。
ただ、ランプ類は塗装されていないので、一見するとその存在に気付きません。

イオタ SVRのフロント下部には、大型のチンスポイラーが設置されていました。
カナードとしての役割も担っていたようで、フロントタイヤの前まで伸びていました。
このミニチュアカーは、ダイキャストの金型形状でチンスポイラーを再現しています。
また、スポイラー部分のみつや消しの黒色で塗装されており、仕上がりはかなり良好です。


ランボルギーニ・イオタは、フロントタイヤ後ろに開口部が設置されていました。
ミウラには無いイオタ独特の開口部で、周囲にリベット跡がありました。
このミニカーは、ダイキャストの金型形状で、開口部のみならず周囲のリベット跡まで再現しています。

イオタ SVRのサイドスカートは黒色で、後方にエアインテークが設置されていました。
このミニカーは、エアインテークの形状も、ダイキャストの金型形状で正確に仕上げています。
また、ドア後方のBERTONEのエンブレムが、印刷で再現されています。

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トミカプレミアムは、各車のホイール形状を再現しています。
ランボルギーニ・イオタ SVRは、他のイオタと違いゴールドメッシュのBBSホイールを装着していました。
このダイキャストミニカーは、BBSホイールのメッシュ形状を、かなりのレベルで再現しています。
3方向に伸びる中央の止め具も形状再現されていますが、残念ながらシルバー塗装はされていません。


ランボルギーニ・イオタ SVRは、極太なBBSホイールを収めるために大型のブリスターフェンダーが装着されていました。
このミニカーは、ダイキャストの金型形状で、ブリスターフェンダーによる迫力あるリアスタイルを再現しています。
一方、リアコンビネーションランプは、赤色、黄色、銀色の塗装で表現されています。
トミカプレミアムは、リアコンビネーションランプにクリア樹脂を使用することが多く、やや残念な仕上がりです。

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エンジン上部のルーバー部分は、形状再現されるとともに、黒色塗装されています。
実際のイオタのルーバーが6枚だったのに対し、このミニカーのルーバーは5枚しかありませんが、かなり立体的に仕上がっています。
また、イオタ SVRは、ランボルギーニ・カウンタックと同型のリアウィングを、ルーバーの上部に装着していました
このダイキャストミニカーのリアウィングには、本体とは別の樹脂成形品が使用されています。
仕上がりレベルはそれほど高くありませんが、外側のリベット跡が再現されています。

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トミカの中には、ドアやボンネットを開ける等のギミックを設定しているモデルがあります。
このダイキャストミニカーは、リアカウルを全開にすることが出来ます。
トミカの中でも珍しいタイプのギミックですが、可動部分の仕上がりは良好で、安心して開閉することが出来ます。
リアカウルを開けると、再現された3.9リッターV型12気筒エンジンを見ることが出来ます。
各シリンダーの先端だけですが、シルバーに塗装されていて、12気筒であることをしっかりとアピールしています。

このダイキャストミニカーの縮尺は1/61で、実寸は約71mmです。



【実際のランボルギーニ・イオタについて】


ランボルギーニは、1966年からV12気筒エンジンを搭載したスポーツカーのミウラを販売していました。
1969年に、ランボルギーニの走行実験責任者だったボブ・ウォレスが中心になって、改良の為の走行実験を行うモデルを1台だけ開発しました。
当初、この試験車はFIAの競技規定 付則J項にちなんで「J」と呼ばれていましたが、後にイオタ(Jota)と呼ばれるようになりました。

イオタは、外観やエンジン等をミウラから流用していましたが、シャシー部分は、リアセクションの一部を除き独自に設計されていました。
一部に軽合金も使用して軽量化したシャシーは、ボディーパネルとブラインドリベットで接合されていました。
ボディも、軽量化の為に、前後カウルがアルミニウム製に変更されていました。

ミウラのヘッドライトはポップアップ式でしたが、イオタのヘッドライトはアクリルで覆われた固定式に変更されていました。
パワートレインは、ミウラと同じ3.9リッターのV型12気筒エンジンで、オイル供給方式をドライサンプに変更する等の改良により、440ps/8,500rpmを発揮しました。

その後、レーシング・チーム「スクーデリア・ブレシア・コルサ」のオーナーであるアルフレッド・ ベルポナーが、イオタを購入しました。
しかし、取引を担当した自動車販売業者エンリコ・パゾリーニが、高速道路で走行テスト中に横転し、イオタは廃車になってしまいました。

世界に1台しかなかったオリジナルのイオタは消滅しましたが、顧客からイオタを求める声が相次ぎました。
そこで、ランボルギーニは、ミウラをベースにしたイオタのレプリカを数台製造し、「イオタ SVJ」として生産証明を発行しました。
このランボルギーニ公認のイオタ SVJは、複数台存在しますが、正確な生産台数は不明のようです。

このページで紹介しているダイキャストミニチュアカーは「イオタ SVR」で、SVJとは少し異なるモデルです。
イオタ SVRは、ドイツのランボルギーニディーラーの社長だったヘルベルト・ハ-ネ氏がオーダーしたものです。
ベースとなったのはミウラP400で、シャシーNo.3781のイオタ SVJに改装されて、1975年11月に出荷されました。

ヘルベルト・ハ-ネは、自分のディーラー工場でレカロのシート、AUTOFLUGのシートベルト、ブラウプンクトのオーディオ、BBSのホイール等を装着しました。
更に、ウォルター・ウルフ仕様のカウンタックLP400と同形のリアウィングがルーフ上に取り付けられていました。
そのため、ハーネのイオタは、イオタ SVRと呼ばれるようになったそうです。

イオタ SVRは、1976年に30万ドルで日本人に売却されました。
当時、日本は空前のスーパーカーブームだったため、イオタ SVRは大いに話題になりました。
日本では、イオタと言えば、ルーフにカウンタックのリアウィングを装着したSVRのイメージが定着しています。



■ランボルギーニ・イオタの仕様
〔全長〕不明
〔全幅〕不明
〔全高〕1,000mm
〔車両重量〕900kg
〔駆動方式〕MR
〔エンジン〕3.9リッターV型12気筒
〔最高出力〕440ps/8,500rpm
〔最大トルク〕403Nm/6,500rpm
〔変速機〕5速MT